ぼっちQ&A!~小川麻衣子作品感想ブログ~

『ひとりぼっちの地球侵略』や『魚の見る夢』等、漫画家の小川麻衣子先生の作品について感想を綴ったブログです。

【悲報】昔大学のレポートで書いた『UN-GO』の論文が出てきた。

昔大学のレポートで書いた『UN-GO』の論文が出てきた。

読んでいたら眩暈がしてきたが、とりあえず載せられる範囲を載せてみる。

以下、その論文の一部である。

 

このレポートではTVアニメ『UN-GO』について考察し、この作品が当時のアニメ業界を俯瞰し、ネットを通じてアニメを観る視聴者へとメッセージを放ったメタフィクション作品である可能性について探っていく。

 UN-GO』が放送されたのは2011年10月から12月にかけて。ネットを通して様々な感想が呟かれる現在の状況がほぼ出来上がっていたと言って差し支えない。ツイッターではアニメの内容を実況するように呟いていく人が現れ、2ちゃんねるで呟かれた内容はまとめサイトですぐに多くの人が読み、拡散させていっていた。そんな時代に作られたUN-GOは、現在のアニメ業界の様子やネットを通じてアニメを観るようになってしまった視聴者を風刺するような構造を持っている。

 まずUN-GOの基本的なストーリーラインから見て行く。事件が起こると結城新十郎と因果が調査を始めるが、海勝麟六がPCを通じて情報を収集し自分に都合の良い真実を作り出す。新十郎は因果の協力を得て本当の犯人と真実を見つけ出すが、公式発表は海勝麟六が作り出した真実のほうになってしまう。

 海勝麟六は殆どの事件をカメラや写真等を通してPCでしか見ようとしない。彼は本当の事件の真実を知っているか何かを見落としているかはっきりとは分からないが、通底しているのは自分やJJシステムズにとって都合が良く、また誰も傷つかない“美しい”真実に拘っているという点である。これは、ネットを通じてしかアニメを観ようとしない現在のアニメ視聴者を風刺しているのではないだろうか。彼らはアニメを観る前にまずツイッター2chなど、ネットの情報を観てそのアニメが面白いかどうかを判断し、それからアニメそのものを観る。そして彼らはそこに広がる情報から自分に都合の良い情報だけを抜き取ってアニメの感想を脚色してしまう。麟六がカメラを通してしか事件を観ないのは彼がネットを通してしかアニメを観ないことの象徴であり、JJシステムズの会長(ネットに最も精通した人物)であり、彼の発信する情報が真実となって世界に広まっていくことも同じく現代のアニメ視聴者が感想をネットに発信していくことのメタファーであるように見える。

 では、新十郎は一体どのような役目を果たしているのであろうか。新十郎と因果は麟六と違い、事件現場に自ら赴いて捜査をする。ネットを通してアニメを観るのではなく、しっかりと自分の目に写ったものだけでアニメを観ようとしているのだ。そして因果は事件の真犯人あるいはその関係者に絶対に真実しか答えられない質問をする。この回答者たちは事件の当事者、つまりはアニメを作っているスタッフのことを指しており、彼らが真実を語ることで事件=アニメの真の意図やテーマが明らかになるのだ。そして新十郎はそのアニメの本当の姿=作者の主張を見つけ出す。しかし、それは麟六の作り出した美しい真実(ネットの感想)に押しつぶされてしまう。それでもめげずに真実を追い続ける新十郎は、UN-GOの製作スタッフが望んでいるアニメの視聴者像を投影した存在だと言えるかもしれない。彼が『堕落論』から引用して喋る「俺たちはただ生きて、堕ちるだけだ」という台詞は、ネットを通して高い所からアニメを観ようとするのではなく、一段低い所に落ちてもう一度自分の目だけでアニメを観てみろ、というメッセージなのかもしれない。

 

取り敢えずここまでである。なんというか…………。酷い内容だ(笑)

当時これを書いたときのことをあまり覚えていないのでアレだが、割とニヤニヤしながら書いていた記憶はある。

 この先も色々と『UN-GO』について書いちゃいるのだが、レポートの指定文字数に達した途端適当にまとめて打ち切ったような内容になっていて正直載せたくはない。

なので、まぁ、今度この先を書きなおしてみようかと思う。

色々と勿体ないところでやめちゃってたので、この際最後までやってみようと思ったのである。

長くなりそうなので、地道にのんびりやりたい。