ぼっちQ&A!~小川麻衣子作品感想ブログ~

『ひとりぼっちの地球侵略』や『魚の見る夢』等、漫画家の小川麻衣子先生の作品について感想を綴ったブログです。

『てのひら創世記』第一話感想(速報版)※1月5日追記

時間もないので初見の感想だけさっくりと。深夜なので頭回ってないです。ご了承ください。

1.とりあえず創世日記の面影らしきものはないな!

これについては以前書いた妄想記事を参照。

thursdayman.hatenablog.com

この調子なら恐らく引用はタイトルオンリーか、それすらも別から引っ張ってきてるのを見つけられたら儲けもの程度でしょう。他の部分から見ていく必要がありそう。

 

2.5分読んだだけでも過去作品の名残は見える。

剣術関連は小川先生ご自身の経験及び『いつか、君を』からの繋がりっぽい。女の子側が押しかけて問題を押し付けてくるのもぼっち侵略及び『いつか、君を』の流れで進んでいる。

で、伝統を受け継ぐ者VS断ち切る者の構図はぼっち侵略で散々やってきたことの一つなので、そこを芯とするのは小川麻衣子先生らしいと言える。主人公に断ち切る側を背負わせて立場をイーブンにしてきたのは中々面白い試み。ぼっち侵略では伝統を受け継ぐ側に主人公たちが終始立ち続けたのでそちらが優勢に見えがちだが、『魚の見る夢』の存在を考慮するとどちらも悪くない。「新しい世界の誕生」と言っているので、その世界の作り方次第ではどうにでもなる。というか、ぼっち侵略は世界を拡張することはあれど0からの刷新だけは行わなかったので、その時点で落とし所を変えてきている可能性はある。

柊がいきなり須崎に花形流の技を鍛練して受け継げと言う件は、宗家と分家の繋がりを絶ち切って新たな歴史の幕開け云々という発言と矛盾してるように見える。が、恐らく柊の中では「伝統は守るもの」というラインで辻褄があっているっぽい。関係を絶ちきるという言い方はぼっち侵略のゾキっぽいが、純粋に力を欲したゾキと異なり柊の場合はそうしなければ道場の存続が危ういという守るための選択肢という気配がある。

一方で須崎は伝統や血統ではなく家族、つまり今を大切にする人間として描かれている可能性が高い。人の家に土足で踏み込んだことへの怒りが主であるなら、それは家から消えて母を一人にさせた父への怒りと重なるものでもあるはずだ。彼が欲しかったのは花形流などではなく父本人だったはずだろうし。で、これ自体は別に何にも悪いことではないのだけれど、そのために他の全てを犠牲にしようとするとぼっち侵略のラスボスことマハの完成だったりする。ぼっち侵略においてこの辺のテーマはゾキやアイラといったキャラクターが揃う中で醸成されていったものなので、今回は初手からそれをぶち込んでもっと掘り下げていこうという狙いなのかもしれない。

……正直頭が回らないので後日もう少し考えよう。まぁ話の動かし方がぼっち侵略の踏襲であるなら初期段階の設定が出揃うのは2話の筈なので焦らんでええ!

……ところでひーくんの「ひー」は名前なの? 苗字なの? 苗字なら婿入りだぞ須崎ィ!! 覚悟しろ!

 

3.ところでこれやっぱり柊側が最悪なヤツなのでは?

落ち着いて考えるんだ柊。勝手にやって来て勝手に傷ついているがどう考えても仕掛けたお前が悪いし、初手からそんな無礼な態度で決闘を門前払いされたらお前どうやって博多に帰るつもりだったんだ? 須崎も不良だから売られた喧嘩は買ってしまうが一番はブチ切れてその場で柊を家から叩き出すことだったのではないか? ぼっち侵略第1話の頃から小川麻衣子先生はここら辺誤魔化して描いたりすることがあるけども、今回もやっぱりヒロイン側が最悪なヤツにしか見えないぞ……。

柊側の家族や道場の事情はまだ部分的にしか見えてこないが、彼女が手ぶらで家に帰れる立場の人間なのかどうかでこの辺りの行動についてはもう少し肉付けがなされると思う。

ただ300人の門下がいる(300人って相当やぞ)安定した道場であるにも関わらず今更宗家に喧嘩を売って事を荒立てるって、先述した家の危機っぽい気配を踏まえてもなんか妙。そりゃ次代継承者になるのは大変だろうしそれが14歳の女の子なら尚更だけども、だからと言って箔をつける方法が宗家をぶっ倒す、でいいのか?    もっと上手い方法あるんじゃなかろうか。何が「「花形流」の流れを共に支える者」やねん、独立して袂を分かつ気満々やん。もしかして千絵が単独で暴走したんじゃなかろうか?    何かこう……心配だなぁ。

で、大鳥先輩は港及び広瀬くんに縛られる形で松横市から出られなかったことを踏まえて、柊はひーくんと彼に関係する何かで洲崎家に縛られる形っぽい。ここら辺もぼっち侵略の踏襲っぽいけど、肝心要のひーくんは土地に縛られているのか? 地流丸と対になるらしい刀が道場の床下から出てきたから、そういうこともあるかもしれない。

それはそれとして柊が博多の実家に帰るイベントは絶対一回はやるよなぁ……小川先生地元近くだし。須崎は一緒に行くのか連れ戻すのか。小川先生はここら辺のイベントは結構話が進むまでやらなさそう。

 

4.柊、君、学校は?

ところで柊、14歳っていうが義務教育はどうした? 単身でやって来てなぜ居候している? 子供一人での転校って基本学校側がOKを出さない筈……

っていうかお前何故制服がセーラー服のままなんだぁ!?

これは新しい制服を買っていないのか?! もしかして登校拒否!? でなけりゃこれは就学義務違反!? お前の大事な分家の親が前科持ちになるヤツじゃないか!!

まぁ漫画だからどうにでもなるけど……果てしなく気になる……これ学校関係のイベントどうするんだ……?

……待て。洲崎みたいのが割と野放しって時点で色々ダメな中学なのか!? それで色々誤魔化す気なのか!? いや、須崎家母に頼ればいけないこともないのか? でも制服が……。

……まぁ、キリがないのでこれもおいおい。

 

5.これはコメディー漫画である。

なってねぇじゃねえか、コメディによぉ!! 完全にバトル漫画と化してるよ! 

いや、真面目な話キャラクターの感情の動き方は完全にバトル中の方が生き生きとしてるのでこれは中々コメディと呼びにくい状況ですね……そして戦闘のネタにも困らない。片や不良、片や剣術少女。ひーくんを狙うもよし、不良が来るもよし、別の流派や分家が来るもよし、現状なんでもできるぞ! 

ともあれ、小川先生のバトル描写である。ぼっち侵略でも散々戦闘は描いてきたけど、剣術を描くとなるとよりテクニカルな戦いを描くことになりそう。この辺りは小川先生にとっても新しい挑戦になるの……かな? しかし、やはり戦闘中の会話の詰め方がいい。あと道場の床下から出てきた刀を抜くときの須崎の表情もいい。やはり小川先生はバトル描写そのものというより、戦闘中の掛け合いや表情の描き方が魅力的ですね。テンポが上がってくるせいか色々とキレッキレになる印象があります。

ただし忘れてはいけないぞ、これは日常コメディーだ! これから日常とコメディーが……本当に始まるのか!? 単行本が出る頃には編集がジャンル名変えてるんじゃないだろうな!? まぁ特に気にはしませんが……自由にやってくれれば嬉しいなぁ程度です。はい。

 

6.セカイ系も多分これから

ネオ・ジェネシスだけどエヴァンゲリオンもセカイっぽさも今のところない感じ。こういうのは設定方面からガンガンキャラクターを追い込んでいくものなんだけれども、それもこれからかなぁー。1話はひーくんが出てくるまでの話なので本当に須崎と柊の紹介に特化させたかったのでしょう。たぶん。実際小川先生はキャラクターを締め付ける設定を上手ーく作る人なので、本格的に取り掛かったら何だかんだそれっぽくなると思ってます。のでそこまで心配はしていません。そもそもセカイ系であるか否かと面白いか否かは別に個人の好みを除けばさして関係ないのですが、小川先生の描く漫画はそもそも面白いのでモーマンタイ。どんとこいセカイ系

 

7.そろそろ寝るのでまとめ

正直書き足りないしもっとちゃんとした文章にしたいのですが、今の自分は起床時間が午前2時を回るとかなり致命的なのでそろそろ速報版は一旦ここまで。最後に気になることと言えば……小川先生が食材の宅配サービス始めたことかなぁ……いや本当、健康にお気を付けください。長生きしてね。

 

正式版は年内投稿予定です。ではでは。

(12/12夜更新。継ぎ足しまくってる分文章の流れがおかしくなってるかも。まぁ正式版出すときはちゃんとするのでそれまでお待ちください)

 

【1月5日追記】

『てのひら創世記』第一話感想、公開しました。以下のリンクからどうぞ。

thursdayman.hatenablog.com