のぞみフレンズ 第1話「まほうのみみ」
ある土曜の朝。
岬一が目覚めると、頭に犬の耳が生えていた。
「なんだこれー!?」
犬耳である。
「そうじゃなくて! なんで耳が生えてるんだぁ!?」
岬一は帽子を引っ被ると、急いで秘密基地へと向かった。
「先輩助けてくれ! 俺の頭に犬の耳が生えたんだ! もしかしたら宇宙人の――」
「おはよう広瀬くん! 見てこれー!」
大鳥先輩にも耳が生えていた。
猫耳である。
「えー!?」
「可愛いと思わない?」
「えっと、可愛いんじゃないかな……ってそんな場合じゃないだろ! これなんなんだ!?」
「広瀬くんのもかっこいいよ♪」
「話を聞いてくれー!」
ともあれ二人は事態を探るべく松横市へ向かった。すると、
「あれ、広瀬くん、背中に何かくっついているよ?」
「え、何これ、手紙?」
広瀬くんの背中に貼りつけられていたのは、何やらファンシーな手紙。
内容は以下の通り。
広瀬岬一と大鳥希へ
お前達の頭に生えているのは「魔法の耳」だ。私を負かさなければ決して外れないぞ。外してほしければ、今から指定する場所まで来い。
姉より
「これ……姉さんからだ!」
「行こう先輩! このままだと明日の学校この耳のまま行かない行けなくなるよ!」
「……小林先生がうるさいだけだし、別にいいんじゃない?」
「よくなーーーーいっ!!!」
こうして、大鳥先輩と広瀬くんの、元通りの頭にするための旅が始まったのです。
2017年度エイプリルフール企画
のぞみフレンズ 第2話へ続く。
「……ところで、なんで今回は話がこんなにわざとらしいの?」
それは、カバー裏とか巻末4コマの世界だからです。
「え、何それ?」
ぶっちゃけ言うとメタ。