時緒、かける少女(4)

(4) 入学式の朝ほど、期待と不安が入り混じる日はない。 私はその気持ちを言葉に変えて、岬一くんと共有し続けた。 その時間は短いようでとても長くて。 もう岬一くんに追いついたというのに、私はまだ走っているような心地だった。 正門が見えてくる。 次の話題が欲しくて、私は回りを見渡す。 時間がない焦りもあって…